大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)4673 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人諫山博の上告趣意について。

原判決が第一審判決の被告人の前科の認定並びにその累犯規定の適用に関し大体

において所論摘示のごとく判示したこと、及び、大審院が所論明治四二年六月二一

日の判決で再犯として処罰すべき事件を三犯として処断した判決を所論のごとく不

当に法則を適用した違法の判決として破棄したことは、所論のとおりである。しか

し、右大審院の判例は、旧々刑訴時代における判例であつて(旧々刑訴二六八条、

上告ハ法律ニ違背シタル裁判アルコトヲ理由トスルトキニ限リ之ヲ為スコトヲ得、

法則ヲ適用セス又ハ不当ニ適用シタルトキハ法律ニ違背シタルモノトス。二六九条、

裁判ハ左ノ場合ニ於テ常ニ法律ニ違背シタルモノトス、第十擬律ノ錯誤アルトキ。

二八六条、上告ヲ理由アリトスルトキハ其上告ニ係ル判決ノ部分ヲ破毀シ……。二

八七条、擬律ノ錯誤……ニ因リ判決ヲ破毀シタルトキハ其事件ヲ他ノ裁判所ニ移ス

コトナク上告裁判所ニ於テ直チニ判決ヲ為ス可シ。参照)、従つて、実体刑法上の

累犯規定の解釈適用に関する判断については格別、刑訴法上の判決破棄の点につい

ては、控訴並びに上告の理由、手続等を著しく異にする新刑訴における本件(刑訴

三七九条、三八〇条、四一一条一号等参照)には適切でない。そして、原判決は、

累犯規定の解釈については、右大審院の判例と同一であつて、第一審判決が本件犯

罪をいわゆる三犯と認定し刑法五九条を適用したのは誤りであると明らかに判示し、

ただその違法は判決に影響を及ぼすこと明らかな誤りとして判決を破棄するに足り

ない旨判示したものに過ぎないのである。されば、原判決は、原判決のあつた後で

ある昭和二七年四月一〇日当法廷のなした判例(判例集六巻四号六五三頁以下参照)

と同趣旨に帰するものであつて第一審判決並びに本件記録によれば、第一審におけ

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る法令適用の誤が判決に影響を及ぼすことが明らかでないとした原判決の判断を是

認することができるから、所論は、採用できない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和二九年一月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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